世界のフジタ

7/9(日)京都国立近代美術館にて「藤田嗣治展」行きました。
久しぶりの本格派な美術展に、期待大で『異邦人の生涯』
というノンフィクションまで読んで予習してしまいました。
大丈夫。期待は裏切られませんでした。

エコール・ド・パリと呼ばれる彼らがいた時代、世界中から野心を持った
若い画家たちがパリに集まってくる。シャガールやモディリアーニ、ユトリロ
とかあの時代。その中に日本人もいたし、藤田もいた。
彼のオヤジが森鴎外くらいハイクラスの軍医だったからパリまで来れたんでしょうけど。
それでも仕送りなくなって絵が売れるまでは飲まず食わずの貧乏生活もしてたみたい。

パリに来て間もない頃の絵が観れましたが、なんちゃってモディリアーニだったりして少し恥ずかしいですが、やがて「すばらしき乳白色」と呼ばれるような己のスタイルを確立します。やたら裸婦と猫がモチーフとして多い。
藤田って人はべらぼうに絵がうまいだなってことがよく分かるのが、猫。
ホントはどんなものだって猫くらい写実的に絵描けるけどあえて裸婦なんかはのっぺり描いている。写実的にただうまいだけじゃなくて、藤田の絵って誰が見ても分かるオリジナルなスタイルを模索してたんでしょうね。

でもメキシコ行けば、壁画運動にすぐに影響されてスタイル変えちゃったりします。後で元に戻ったりはするのですが。
戦争画もやたらうまい。節操無いくらいスタイルを変えてます。
うまいだけに戦後は画壇から戦犯扱いされちゃったり。可哀想に。
そんなつもりじゃないのに。
戦前はパリで売れ出しても日本の画壇は彼を無視。日本人だからモノ珍しかられてるだけに過ぎないって評価。ヒガミにしか聞こえないけど。
久しぶりに帰って来たし、たまには日本のためにと戦争画描いたらそんな扱い。
そりゃフランスに帰化するわ。洗礼受けてクリスチャンになるわ。

内容的にはすごく濃いくて大満足。いろんなスタイルの絵が観れるし。
晩年描いてた子供モチーフなんて奈良美智的なイラスト的マンガ的世界だし。
人多かったけど、見といて損はないです。行って正解。
もう戦争画「アッツ島玉砕」なんかは傑作と一言では片付けられない。人として見ておくべき絵。ただの絵じゃない。絵以上の絵。よーく見とけって語りかけてきます。逃げられない。
すげーよ藤田。世界のフジタ。変な髪型は伊達じゃない。


さて、次目指すは滋賀県立近代美術館のイサム・ノグチだな。
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by noart_nolife | 2006-07-14 02:29
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